
使ってみて実際に役に立ったコンテンツやアイテムを紹介
中学受験を控える小学生にとって、日々の勉強は長期戦です。勉強漬けの毎日では子どもの心身が疲れてしまい、効率も落ちてしまいます。そこで重要なのが適度な「息抜き」と、学習環境を整える「便利グッズ」の活用です。
そこで、実際に受験で役立ったアイテムやコンテンツを8つ紹介します。これらを活用して、受験生活を少しでも楽しく、快適に過ごしましょう!
この記事では、中学受験生を支える保護者の視点から、勉強の合間に活用できる息抜きコンテンツと、実際に便利だった学習サポートアイテムを詳しく紹介します。それぞれの概要と活用ポイント、おすすめの使い方、さらに実際の体験談も交えますので、ぜひ参考にしてください。
目次
息抜きにおすすめのコンテンツ
受験勉強に役立つ便利グッズ
息抜きにおすすめのコンテンツ
1. ゲーム「マインクラフト | Minecraft」
世界中で人気のサンドボックスゲーム「マインクラフト」は、ブロックで自由に建築や冒険ができるクリエイティブなゲームです。子どもから大人まで幅広い世代に愛されており、教育分野でも注目されています。
遊び方次第でプログラミング的思考や論理的な問題解決能力も養える点が特徴です。例えば、マインクラフト内で回路を使った装置を作るとき、回路の動きを論理的に考える過程でプログラミング的思考が身につくとされています。実際に教育版(Minecraft Education)が提供され、学校の授業に取り入れられるケースもあるほどです。
さらに、中学受験でプログラミング入試があるほど注目されています。
創造力を働かせながらリフレッシュできるので、脳の別の部分を使って良い気分転換になります。また、自分で目標を決めて何かを作り上げる達成感は自己効力感を高め、勉強への意欲にも良い影響を与えます。マインクラフトは楽しみながら創造力やプログラミング的思考を身につけられるため、息抜きと学びの両立にぴったりです。
さらに、マインクラフトの世界では、地表や地下にさまざまなブロックが存在し、実在する岩石名が設定されています。たとえば、次のようなブロックは現実の地質学でも見られる名称を使っており、お子さんが地学や岩石分野に興味を持つきっかけとして活用できます。例えば、花崗岩は赤みがかったブロックで、実在の花崗岩はマグマが地中深くで冷やされてできた火成岩の代表例です。その他にも、閃緑岩、安山岩、玄武岩、砂岩など数多くの実在する岩石が学べます。
2. マンガ「二月の勝者」
二月の勝者は、中学受験専門の大手塾を舞台にした人気教育マンガです。物語は小学校5年生の2月から受験本番までの1年間を描き、カリスマ塾講師・黒木先生の指導のもとで子ども達と親が合格を目指して奮闘するストーリーが展開します。中学受験のリアルな内情が細部まで取材されており、「あるある!」と思わず共感するエピソードが満載です。そのリアリティが話題となり、シリーズ累計250万部を超えるヒット作となりました。2021年には日本テレビ系列で柳楽優弥さん主演のテレビドラマ化もされ、受験生の保護者の間では「必読本」とまで言われています。
このマンガの最大の魅力は、受験に関わる様々な立場のストーリーが描かれていることです。努力しても成績が伸び悩む子、不合格経験のある兄弟を持つ子、経済的に無理をして塾に通う家庭、親同士の情報戦・・・中学受験を取り巻く現実が生々しく、時にコミカルに表現されています。それゆえ親子で中学受験とは何かを考えるきっかけになりますし、受験しない人にとっても学ぶものが多い作品です。受験を経験する子どもにとっては、「自分と違う環境の子も色々な思いを抱えて勉強している」ことを知る良い刺激となり、モチベーション向上につながると現役塾講師も評価しています。
まずは保護者が読んでみて、心に響いたエピソードやセリフをお子さんと共有してみるのがおすすめです。漫画なので気軽に読めますし、親自身も中学受験の心構えを学べます。実在の受験とは多少異なる部分もありますが、勉強や受験に前向きに取り組む気持ちを引き出すには十分な内容です。親が説教するより漫画のキャラクターの言葉の方が心に響く…なんてこともあるかもしれませんね。
3. アニメ「ねこねこ日本史」
ねこねこ日本史は、歴史上の人物たちをすべて“ネコ”に置き換えて描くユニークな歴史コメディ作品です。もともとは、そにしけんじ先生による漫画で、NHK Eテレで2016年4月から2021年3月までテレビアニメが放送されていました。織田信長も坂本龍馬も卑弥呼も皆ネコとして登場し、ゆるいギャグを交えながら日本の歴史を紹介してくれます。可愛らしい猫キャラクター達のやりとりに笑っているうちに、いつの間にか歴史上の出来事や人物関係を覚えてしまうと評判です。原作コミックスも15巻以上刊行されており、小学生を中心に「かわいくて学べる歴史マンガ」として不動の人気を誇っています。
社会とりわけ歴史分野が苦手なお子さんにぜひ試してほしいコンテンツです。難しい年号や人名もネコの姿で登場すると親しみやすく、「歴史ってこんなに面白かったんだ!」と興味を持つきっかけになり、歴史好きの小中学生を続々と生み出しているとも報じられています。可愛い猫たちのドタバタ劇を通じて、いつの間にか歴史の流れや人物の特徴を理解できるのが大きなメリットで、楽しみながら学ぶ効果は折り紙付きです。YouTube、Amazon Prime Videoなどで視聴できます。
4. Audible
Audible(オーディブル)はAmazonが提供するオーディオブックサービスです。プロのナレーターや声優が朗読する本をスマホやタブレットで聴くことができ、「耳で楽しむ読書」ができます。小説、ビジネス書、学習参考書まで幅広いジャンルの本が揃っており、忙しい合間でも耳さえ空いていれば読書できるのが魅力です。中学受験生に直接役立つ教材というよりは、リスニングによる語彙力アップや読解力維持、リラックス効果などを期待して活用できます。また近年は受験勉強法やメンタルケアに関する本もオーディブルで提供されており、親子で参考にするのも良いでしょう。
オーディブル最大の利点は「目と手を使わずに本の内容を吸収できる」ことです。例えば勉強の休憩中に目を閉じてリラックスしながら物語を聴くことで、疲れ目を休めつつ想像力を働かせることができます。実際、とある保護者の方は「家事をしながらや趣味の作業をしながら、なんとなくテレビを見ていた時間をオーディブルに変えるだけで、かなり“読書”の時間が取れました」と述べています。耳から情報を得ることで脳の別の部分が刺激され、活字とは違った新鮮さがあります。受験勉強中はどうしても活字の教材ばかりになりますから、物語の朗読に耳を傾ける時間は良い気分転換になるでしょう。また、英語のリスニング学習にも活用できます。Audibleには英語教材や英語の物語(洋書)が数多くあり、難易度に応じて選べます。
本を一つ紹介しますと『中学受験にチャレンジするきみへ〜勉強とメンタルW必勝法!』は、朗読の優しい語りかけで「自分だけが大変なんじゃない、みんな通る道なんだよ」と受験生を励ましてくれる内容で、親子ともに気持ちが軽くなります。
おススメの活用方法は、中学受験で出題されやすい文学作品などを通学時間などの電車や車での移動中に聞くといいでしょう。
受験勉強に役立つ便利グッズ
5. 裁断機 & スキャナー
裁断機は本や紙の束を一気にカットできる道具です。大型のものなら教科書や問題集など厚みのある本でもザクっと背表紙から切り落としてバラバラに解体できます。家庭用でもA4サイズ対応・50枚程度の紙を切れる製品から、業務用クラスで厚さ数百枚対応のものまで様々です。中学受験の家庭では、参考書やテキストを解体(自炊)してデジタル化する目的で使います。
分厚いテキストをそのまま渡されると、子どもは「こんなにやるの?」と気後れしてしまうことがあります。裁断機で適当なサイズに教材を分冊化すれば、「まずこの1冊(例えば50ページ分)をやろう」という風に心理的ハードルを下げることができます。また、日々持ち歩く教材も必要な部分だけに減らせるので子どもの荷物を軽量化できます。塾や図書館に行くときに全冊持っていくのは大変ですが、裁断しておけば必要な範囲だけ持ち運べて便利です。さらに裁断したページは後述のスキャナーで一気にPDF化できるので、デジタル教材として保管・活用できます。要するに裁断機は学習プリントや本の「扱いやすさ」を格段に向上させてくれるアイテムなのです。
我が家では、購入したての分厚い問題集や過去問集はまず裁断機でバラすようにしています。例えば500ページある算数の問題集も、裁断機で背表紙を切り落として1冊まるごとバラバラにし、机に置いても厚みがない分開きやすく書き込みもしやすいです。また、必要なページだけプリント(コピー)して渡すこともできます(スキャンデータがあれば印刷も簡単です)。
裁断機を使って市販のテキストを裁断→スキャンしてPDF化し、毎日の課題分だけをプリントアウトして学習する方式に切り替えたところ、学習の効率化になりました。また後述しますが、テキストを裁断してスキャンしたPDFをタブレットに入れて、移動中や待ち時間にも勉強できます。裁断機で紙の教材を柔軟に扱えるようにすることで、学習スタイルを子どもに合わせて最適化できるようになります。なお、裁断した教材はメルカリで販売していますのでご利用ください。
スキャナーは紙の資料をスキャンしてデジタルデータ化する機器です。特にADF(自動原稿送り)機能付きのドキュメントスキャナーは、中学受験家庭の強い味方です。ADFスキャナーに裁断してバラバラになった紙束をセットすれば、高速で次々と用紙を送り込み、両面を読み取ってPDFファイルにしてくれます。例えば富士通のScanSnapシリーズなどが有名で、数百ページの教材も数分~十数分でスキャン完了します。これにより、家にある大量のテキストやプリント類を省スペースなデジタルデータとして保存・活用できるようになります。
受験勉強では過去問や問題集を繰り返し解くことが重要です。その際、スキャナーで教材をデータ化し印刷できるようにしておくと非常に効率的です。ある教育情報サイトでも「購入した問題集や書籍をデータ化する家庭は増えている。問題を何度も印刷して繰り返し学習できるからで、これはもはや中学受験家庭では当たり前の対策」と述べられています。つまり、一度スキャンしておけば何度でも清書状態でプリントアウト可能なので、問題演習の反復に最適なのです。またデータ化してクラウドに保存すれば、外出先でもタブレットで閲覧できたり、万一紙の原本を紛失・破損しても再印刷できます。親御さんにとっても、紙の山に埋もれて「あのプリントどこだっけ…」と探す手間が省け、パソコンやスマホでパッと探せる利便性があります。さらにPDF化した資料はキーワード検索や注釈付けもでき、必要な情報に素早くアクセスできる学習環境を整えられます。
スキャンしたPDFは科目や単元ごとにファイル分割し、わかりやすい名称を付けてクラウドストレージやNASに保存しておくと良いです。子どももタブレットで開いて復習できます。
6. iPad
今や一家に一台の時代となったタブレット端末ですが、中でも学習用途で人気なのがAppleのiPadです。直感的に操作できる大画面と、Apple Pencilなどのスタイラスペンによる手書き入力のしやすさから、子どもの教育ツールとしても広く利用されています。
iPad活用のメリットは多岐にわたります。まず、教材の電子化との相性が抜群です。先述のように裁断・スキャンしたPDFを入れておけば、どこでも好きなときに勉強できます。特に画面サイズの大きいモデルなら、画面を分割表示して「片側に教科書PDF、片側にノートアプリ」という使い方も可能で、教科書を見ながらノートに解答を書くといった芸当もできます。次に、Apple Pencilによる手書きのしやすさがあります。iPad用のノートアプリ(GoodNotes5やNotability等)を使えば、紙のノートとほぼ同じ感覚で文字や図を書けます。スキャンしたテキストにApple Pencilで直接答えを書いたりメモしたりできるし、紙も節約できる、消しゴムいらずでガンガン書ける利便性があります。さらに、学習アプリや辞書機能の活用も見逃せません。算数ドリルや漢字練習など中学受験向けの教材アプリも多数あり、ゲーム感覚で基礎力を鍛えることができます。調べものも内蔵辞書やインターネットで即座にできるため、調べ学習や好奇心を満たすのに最適です。
デジタルノート&電子参考書として使う場合、まずiPadとApple Pencil、それに使いやすいノートアプリを用意しましょう。GoodNotes 5などは有料ですが非常に使い勝手が良くおすすめです。使い方は簡単で、スキャンしたPDF教材をアプリに取り込み、画面上に直接書き込むだけ。計算問題も証明問題も、紙のように書いて解答できます。消すのもペンを切り替えるだけなので何度でも解き直せます。もちろん長時間の使用は目が疲れるので、紙とバランスを取りつつ導入しましょう。例えば自宅では紙の問題集、外出先ではiPadで当サイトと使い分けたりといった活用法がおすすめです。
子どもは何といってもスマホ・テレビ・ゲームなどのデバイスが大好きです。ゲーミフィケーションを学習に取り入れた、子ども × デバイス × ゲーム性で飽きのこない学習体験をしてみてください。実際にiPadを勉強に使おう!と新調する保護者の方も増えています。いいことづくめだけど、難点は価格の高さ…しかしそれだけの価値は感じます。こうしたデジタル活用は最初は少し準備が要りますが、一度環境を整えれば学習の効率と幅が飛躍的に広がります。
7. エコタンクプリンター
中学受験ではプリンターも必須アイテムと言えます。家庭で過去問や追加問題を印刷する機会が非常に多いため、プリンターの性能とコストは無視できません。なかでも注目なのがエコタンク式プリンターです。エプソンやキヤノンが展開する「大容量インクタンク搭載モデル」で、インクカートリッジの代わりに本体内の大型タンクにインクを補充するタイプ。これによりインクコストが劇的に安く、大量印刷に向いています。例えばエプソンのエコタンクモデルでは、モノクロA4印刷1枚あたり約0.7円、カラーでも約3.7円とされています。従来型だとモノクロ3円・カラー15円前後が相場なので、1/5以下のランニングコストになる計算です。
過去問や模試問題、塾の課題プリントなど、テスト前や受験直前期には毎日のように何十枚も印刷することがあります。エコタンクプリンターならインク代を気にせずどんどん印刷でき、「インク切れで深夜にコンビニダッシュ…」なんて事態も起こりにくくなります。我が家でも以前は普通のインクジェットプリンターを使っていましたが、インクの減りが早くカートリッジ代がバカにならないためエコタンク機に買い替えました。結果、1枚あたり約1円以下という低コストで経済的に大量印刷でき、大正解でした。
塾から配られたプリント類やネットで入手した過去問PDFは、惜しみなく印刷してフル活用しましょう。エコタンクなら解き直し用に同じ問題を何部も印刷してストックしておくことも可能です。例えば苦手な問題を2部印刷しておき、間違えた問題を再度印刷し、繰り返し解かせるといったこともコストを気にせずできます。兄弟姉妹で使う場合にもそれぞれの分を刷り増しできます。
受験にはプリンターが必須。毎日の大量印刷が必要な中学受験にはインクコストの安いタイプがおすすめです。
コピー用紙はコストコのA4サイズが最安値ですよ。
8. タイムタイマー
最後に紹介するタイムタイマーは、一見普通のキッチンタイマーのようですが、残り時間を視覚的に示してくれる優れものタイマーです。例えば30分にセットすると、赤い扇形の領域が30分分現れ、それがだんだん小さくなって0になるとベルが鳴る、といった仕組みです。これにより、子どもでも一目で「あとどれくらい」かが分かるため、時間感覚を養ったり集中力を高めたりする効果が期待できます。
中学受験では時間内に解き切る力が重要です。タイムタイマーを使って日頃から時間を計りながら勉強する習慣をつければ、「1問に○分かけていたら間に合わない」という感覚が身につきます。実際、タイムタイマーの利用で子どもの時間意識が大きく変わったという報告が多もあり、だらだら勉強を防ぎ集中力アップにつながります。
15分間集中して計算演習→5分休憩というポモドーロ・テクニックのような区切り学習がありますが、筆者はおすすめしません。子どもによりますが、勉強と休憩の切り替えがうまくいかず、だらだらする可能性の方が高いからです。勉強を始めたら、一気にやってしまうのがいいでしょう。
タイムタイマーの一番の利用方法は模擬試験の時間感覚を身につけるです。過去問演習時に教科ごとの制限時間をタイムタイマーで計るのが有効です。「残り○分」のプレッシャーに慣れておくことで本番でも落ち着いて取り組めます。
おわりに
中学受験の勉強はどうしても長期戦になりがちで、子どもの集中力やモチベーションの維持が課題です。息抜きを適切に取り入れることで脳と心をリフレッシュさせ、次の勉強にフルパワーで取り組めるようになります。
マインクラフトのようにただのゲームと思われがちなツールでも、地学的な知識(岩石や地層)に興味を持つきっかけになり、親子の会話が弾む良い機会にもなります。
また、便利グッズを活用すれば、勉強の効率や親のサポート作業が圧倒的に楽になります。裁断機・スキャナー・iPad・エコタンクプリンターという“紙とデジタルのハイブリッド学習環境”を整えれば、過去問や大量のプリントがあっても管理や解き直しがスムーズになり、時間を有効に使えます。特にお子さんが苦手分野克服にゲーミフィケーションを利用しましょう。
そしてタイムタイマーなどの時間管理ツールを導入すれば、勉強も生活全般も「時間意識」を高めて計画的に進められます。特に中学受験は制限時間内での問題処理が鍵となるため、普段から残り時間を意識する習慣が将来の本番にも役立ちます。
受験期は親子ともに忙しく大変ですが、「息抜き+学習効率化」をうまく組み合わせれば少しでも楽しく前向きに乗り越えられるはずです。ご紹介したコンテンツとアイテムの中から、お子さんの興味関心やご家庭のスタイルに合ったものをぜひ試してみてください。適切な息抜きと効率的な学習支援を取り入れて、中学受験本番へ向けた長い道のりを笑顔で走り抜けましょう!