算数【入試】流水算

問1

ある船が川を40km上るのに6時間40分かかり、同じ場所を下るのに4時間かかります。静水での船の速さは、上り、下りとも同じであるものとし、また川の流れの速さは一定であるものとします。このとき、川の流れの速さと静水での船の速さはそれぞれ毎時何kmであるかを求めなさい。

答え
川の流れの速さ:毎時2km、 静水での船の速さ:毎時8km
解き方
川を上るときの船の速さは、40 ÷ 6\(\dfrac{40}{60}\) = 6(km/時)
川を下るときの船の速さは、40 ÷ 4 = 10(km/時)
川の流れの速さは、(10 – 6) ÷ 2 = 2(km/時)
静水での船の速さは、(10 + 6) ÷ 2 = 8(km/時)

問2

川の下流にあるP地点と上流にあるQ地点の間を、静水時には同じ速さの2つの定期船A、Bが往復しています。AはP地点を、BはQ地点を同時に7時に出発します。下のグラフはこの定期船A、Bの運航の様子を表しています。

(1) 静水時の定期船の速さは、川の流れの速さの何倍ですか。

(2) AとBが最初に出会ってから次に出会うまで何時間何分かかりますか。

(3) ある日、川が増水して川の流れの速さが時速1km増加し、AとBが最初に出会ったのがPとQの間の距離の\(\dfrac{1}{15}\)だけPに近い地点になりました。Aが最初にQ地点に到着したのは何時何分何秒ですか。

答え(1)
3倍
答え(2)
2時間40分
答え(3)
9時8\(\dfrac{4}{7}\)分
解き方(1)
グラフより、上りは2時間、下りは1時間かかることから、上りと下りの速さの比は、\(\dfrac{1}{2}\) : 1 = 1 : 2とわかる。上りの速さを①、下りの速さを②とおくと、
静水時の船の速さは、\(\dfrac{② + ①}{2}\) = 1.5
川の流れの速さは、\(\dfrac{② – ①}{2}\) = 0.5
よって、船の速さは流れの速さの3倍となる。
解き方(2)
上りの速さを①(km/時)とすると、PQ間の距離は① × 2 = ②(km)となる。AとBが最初に出会うまでにかかる時間は、\(\dfrac{②}{① + ②}\) = \(\dfrac{2}{3}\)(時間後)である。次に出会うまでにかかる時間は、
(11時 – 7時) – \(\dfrac{2}{3}\) × 2 = 2\(\dfrac{2}{3}\)(時間)
よって、2時間40分
解き方(3)
増水前の上りの速さを\(\boxed{1}\)(km/時)とすると、PQ間の距離は\(\boxed{1}\) × 2 = \(\boxed{2}\)(km)と表すことができる。増水前にAとBが出会った地点は、Pから\(\boxed{1}\) × \(\dfrac{2}{3}\) = \(\boxed{\dfrac{2}{3}}\)(km)の距離となる。よって、増水後にAとBが最初に出会った地点は、Pから\(\boxed{\dfrac{2}{3}}\) – \(\dfrac{1}{15}\) = \(\boxed{\dfrac{3}{5}}\)(km)の距離となる。川の流れの速さは変わっても、上りと下りの船の速度の和は変わらないので、AとBが最初に出会うまでの時間は\(\dfrac{2}{3}\)(時間)である。よって増水後の上りの速さは、\(\boxed{\dfrac{3}{5}}\) ÷ \(\dfrac{2}{3}\) = \(\boxed{\dfrac{9}{10}}\)(km/時)
よって、AがPからQに到着するまでにかかる時間は、\(\boxed{2}\) ÷ \(\boxed{\dfrac{9}{10}}\) = 2\(\dfrac{2}{9}\)(時間)
AがQに到着する時間は、9時13分20秒

問3

川の上流にP地点と、下流にQ地点があります。PQ間を繰り返し往復する船があり、この船はP地点、Q地点でそれぞれ21分間停まります。A君は川沿いの道をQ地点からP地点まで歩きました。A君がQ地点を出発したとき、船は同時にP地点を出発しました。A君は途中でP地点からQ地点に向かう船と2回すれ違いました。2回目にすれ違ったのは1回目にすれ違ってから1時間20分後でした。A君がQ地点を出発してから2時間後に、A君はP地点に、船はQ地点に同時に着きました。

(1) A君がP地点からQ地点に向かう船と1回目にすれ違ったのは、A君がQ地点を出発してから何分後でしたか。

(2) 船が川を上るときの速さと川を下るときの速さの比を求めなさい。

(3) 静水時、船の速さは毎分270mです。川の流れの速さは毎分何mですか。また、PQ間の道のりは何mですか。

答え(1)
20分後
答え(2)
4 : 5
答え(3)
川の流れの速さ 毎分30m, PQ間の道のり 7200m
解き方(1)
A君と船の動きをグラフで表す。

各地点を同時に出発したA君と船が出会うまでにかかる時間と、A君と船が出会ってから同時に各時点に到着するまでにかかる時間は等しいので、
(120 – 80) ÷ 2 = 20(分後)
解き方(2)

船がP地点を出発してA君と出会うまでに進んだ距離と、A君が船と出会ってからP地点に到着するまでに進んだ距離は等しいことから、船が川を下るときの速さとA君が歩く速さの比は、\(\dfrac{1}{20}\) : \(\dfrac{1}{100}\) = 5 : 1となる。よって、
船がPQ間を下る時間は、120 ÷ 5 = 24(分)
船がPQ間を上る時間は、120 – (24 + 21) × 2 = 30分
上りと下りの速さの比は、\(\dfrac{1}{30}\) : \(\dfrac{1}{24}\) = 4 : 5
解き方(3)
上りの速さを④とすると、
\(\dfrac{④ + ⑤}{2}\) = 270
① = 60
よって、上りの速さは4 × 60 = 240(m/分)、下りの速さは5 × 60 = 300(m/分)となる。
川の流れの速さは、\(\dfrac{300 – 240}{2}\) = 30(m/分)
PQ間の道のりは、240(m/分) × 30(分) = 7200(m)

問4

船A、Bは流れの速さが同じ川を進みます。Aは川を上るときの3倍の速さで川を下り、Bは川を上るときの5倍の速さで川を下ります。Aの船の静水時の速さは時速8kmです。Bの船の静水時の速さは時速何kmですか。

答え
時速6km
解き方
Aの上りの速さを①とおくと、下りの速さは③と表すことができる。Aの船の静水時の速さは、(① + ③) ÷ 2 = 8より、① = 4となる。よって、Aの上りの速さは時速4km、下りの速さは時速12kmとわかる。また、川の流れの速さは(12 – 4) ÷ 2 = 4(km/時)となる。次に、Bの上りの速さを\(\boxed{1}\)とおくと、下りの速さは\(\boxed{5}\)と表すことができる。川の流れの速さは、(\(\boxed{5}\) – \(\boxed{1}\)) ÷ 2 = 4より、\(\boxed{1}\) = 2となる。よって、Bの上りの速さは時速2km、下りの速さは時速10kmとわかる。したがって、Bの船の静水時の速さは、(2 + 10) ÷ 2 = 6(km/時)

問5

ある川の上流にあるP地点から54kmはなれた下流のQ地点の間を、船AとBが往復しています。船AとBは、静水では一定の同じ速さで進みます。午前8時に、船AはP地点からQ地点に、船BはQ地点からP地点に向かって進み、両方の船はいずれも到着した地点で15分間の休みをとり、再びもとの地点に向かってもどります。また、両方の船が上りと下りにかかる時間の比は5 : 4で、上りの速さは毎時24kmです。

(1) この川の流れの速さは、毎時何kmですか。

(2) 船AとBが初めてすれ違うのは、Q地点から何kmのところですか。

(3) 船AとBが3回目にすれ違うのは、午後何時何分ですか。

答え(1)
毎時3km
答え(2)
24km
答え(3)
午後1時33分
解き方(1)
上りと下りの速さの比は、\(\dfrac{1}{5}\) : \(\dfrac{1}{4}\) = 4 : 5となることから、下りの速さは24 × \(\dfrac{5}{4}\) = 30(km/時)。よって、川の流れの速さは、(30 – 24) ÷ 2 = 3(km/時)
解き方(2)
船AとBが初めてすれ違うまでの時間は、54 ÷ (24 + 30) = 1(時間後)。よって、Q地点から24 × 1 = 24(km)のところである。
解き方(3)
船AとBが3回目にすれ違うのは、1往復したあと初めてすれ違うときである。船が1往復するのにかかる時間は、\(\dfrac{54}{24}\) + \(\dfrac{54}{30}\) + \(\dfrac{15}{60}\) = 4\(\dfrac{3}{10}\)(時間)。3回目に出会うまでにかかる時間は、4\(\dfrac{3}{10}\) + \(\dfrac{15}{60}\) + 1 = 5\(\dfrac{11}{20}\)(時間)。よって、3回目にすれ違う時間は、8時から5\(\dfrac{11}{20}\)時間後の午後1時33分。