算数【応用】通過算

問1

ある鉄道の線路に図のようなトンネルがあり、電車 A は西から東へ秒速 30 m の速さで、電車 B は東から西へ一定の速さで、このトンネルを通過します。このトンネルに電車 A が入り、少し後に電車 B がトンネルに入りました。電車 A と電車 B はトンネル内で出会ってすれ違い、そして同時にトンネルを抜けました。グラフは、電車 A がトンネルに入り始めてからの時間と、電車 A と電車 B のトンネルの外にある部分の長さの和との関係を表しています。

ヒント

P:電車 A がトンネルに入り始める
Q:電車 A がトンネルに完全に入る
R:電車 B がトンネルに入り始める
S:電車 B がトンネルに完全に入る
T:電車 A、B がトンネルから抜け始める
U:電車 A、B がトンネルから完全に抜ける

(1)電車 A、B の長さはそれぞれ何 m ですか。

答え(1)
電車 A:150 m 電車 B:250 m
解き方(1)
グラフより、電車 A がトンネルに入り始めてから完全に入るまでにかかる時間は 5 秒。よって、電車 A の長さは、
30 × 5 = 150 [m]
電車 A と B の長さの和は 400 m より、電車 B の長さは、
400 – 150 = 250 [m]

(2)このトンネルの長さは何 m ですか。

答え(2)
1200 m
解き方(2)

グラフより、電車 A がトンネルに入り始めてから抜け始めるまでにかかる時間は 40 秒。

よって、トンネルの長さは、
30 × 40 = 1200 [m]

(3)電車 B の速さは秒速何 m ですか。

答え(3)
秒速 50 m
解き方(3)
グラフより、トンネルを抜け始めてからの電車 A と B のトンネルの外にある部分の長さの和は時間と比例の関係にあることから、電車 A と B は同時にトンネルを抜け始めたと考えられる。
よって、電車 B がトンネルを抜け始めてから完全に抜けるまでにかかった時間は 5 秒より、速さは、
250 ÷ 5 = 50 [m/秒]

(4)グラフの(ア)に当てはまる数はいくつですか。

答え(4)
16
解き方(4)

電車 B がトンネルに入り始めてから完全に抜けるまでにかかる時間は、
( 250 + 1200 ) ÷ 50 = 29 [秒]

よって、ア = 45 – 29 = 16 [秒]

(5)電車 A、B が出会ったのは、電車 A がトンネルに入り始めてから何秒後ですか。

答え(5)
25 秒後
解き方(5)
電車 B がトンネルに入り始めたとき、電車 A の先頭はトンネルの入り口から 30 × 16 = 480 [m] の位置にある。
よって、電車 A の先頭と電車 B の先頭の距離は 1200 – 480 = 720 [m]

よって、この状態から電車 A、B が出会うまでにかかる時間は、
720 ÷ ( 30 + 50 ) = 9 [秒]
よって、電車 A がトンネルに入り始めてから 16 + 9 = 25 [秒後]

問2

長さ 160 m の駅のホームで A さんの前を快速電車が 6 秒で通過しました。また、この電車がホームにさしかかってから通過しきるまでは18 秒かかりました。快速電車の長さは何 m ですか。

答え
80 m
解き方
快速電車の長さを □ m とする。
A さんの前を快速電車が 6 秒で通過したことから、快速電車の速さは □ ÷ 6 [m/秒] と表すことができる。

また、この電車がホームにさしかかってから通過しきるまでは18 秒かかったことから、快速電車の速さは ( 160 + □ ) ÷ 18 [m/秒] と表すこともできる。

よって、次の式が成り立つ。
□ ÷ 6 = ( 160 + □ ) ÷ 18
3 × □ = 160 + □
2 × □ = 160
□ = 80 [m]

問3

長さ 150 m の列車 A が、秒速 30 m の速さで進む長さ 130 m の列車 B に追いついてから追いこすまでに 56 秒かかりました。列車 A の速さは秒速何 m ですか。

答え
秒速 35 m
解き方

列車 A の速さを □ m/秒 (□ は 30 より大きい) とすると、次の式が成り立つ。
( 150 + 130 ) ÷ ( □ – 30 ) = 56
56 × ( □ – 30 ) = 280
56 × □ = 280 + 56 × 30
□ = 5 + 30 = 35 [m/秒]

問4

長さ 240 m の列車がホームに立っている人の前を通過するのに 12 秒かかりました。また、秒速 35 m で向かってくる急行列車とすれちがうのに 6 秒かかりました。そして、あるトンネルに入る始めてからトンネルをで終わるまでに 45 秒かかりました。

(1)急行列車の長さは何 m ですか。

答え(1)
90 m
解き方(1)
列車の速さは 240 ÷ 12 = 20 [m/秒]
急行列車の長さを □ m とすると、次の式が成り立つ。
( 240 + □ ) ÷ ( 20 + 35 ) = 6
240 + □ = 6 × ( 20 + 35 ) = 330
□ = 330 – 240 = 90 [m]

(2)トンネルの長さは何 m ですか。

答え(2)
660 m
解き方(2)
トンネルの長さを □ m とすると、次の式が成り立つ。
( 240 + □ ) ÷ 20 = 45
240 + □ = 45 × 20 = 900
□ = 900 – 240 = 660 [m]

問5

ある列車が、長さ 500 m の鉄橋を一定の速さでわたり始めてからわたり終わるまでに 2 分 10 秒かかります。また同じ速さでこの鉄橋の 2 倍の長さのトンネルを走り抜けるとき、列車がトンネルにすべてかくれて見えない時間は 2 分 50 秒です。この列車の長さは何 m ですか。

答え
150 m
解き方

列車の長さを A m、列車の速さを B m/秒とすると、以下の式が成り立つ。
500 + A = ( 2 × 60 + 10 ) × B = 130 × B ・・・ ①
1000 – A = ( 2 × 60 + 50 ) × B = 170 × B ・・・ ②
① + ② より、
500 + 1000 = ( 130 + 170 ) × B
300 × B = 1500
B = 5 [m/秒]
① より、
A = 130 × B – 500
= 130 × 5 – 500 = 150 [m]

問6

長さ 200 m の列車が秒速 14 m で走っています。この列車がトンネルを通り抜けるとき、列車がトンネルに完全にかくれている時間は 35 秒です。このトンネルの長さは何 m ですか。

答え
690 m
解き方

図より、トンネルの長さは、
200 + 14 × 35
= 200 + 7 × 2 × 7 × 5
= 200 + 490 = 690 [m]

問7

図にようにトンネルの西に信号①があり、トンネルの東に信号②があります。2 つの信号の距離は 4.5 km で、トンネルの西側入口から信号①までの距離は 700 m です。

列車 A は 120 m で、西から東に向かって走ります。また、トンネルの長さは 400 m で、列車 A はトンネルを通過するのに 26 秒かかります。

(1)列車 A の速さは毎秒何 m ですか。

答え(1)
毎秒 20 m
解き方(1)

( 400 + 120 ) ÷ 26 = 20 [m/秒]

(2)列車 B は長さが 160 m で、西から東に向かって毎秒 35 m で走ります。列車 A がトンネルを通過したときに、ちょうど列車 B の先頭が信号①を通過しました。列車 B の先頭が信号①を通過してから列車 A を追いこすまでに、何分何秒かかりますか。

答え(2)
1 分 32 秒
解き方(2)

列車Bが列車Aを追い越すには、列車Bの長さ+列車Aの長さ+列車間の距離を追い越す必要がある。
160 + 120 + 700 + 400 = 1380 [m]
1380 ÷ ( 35 – 20 ) = 92 [秒]
したがって、1 分 32 秒

【別解】

列車 B の先頭が信号①を通過してから列車 A を追いこすまでに □ 秒かかるとする。
このとき、列車 B が進んだ距離は 35 × □ [m] と表すことができる。また、列車 A に注目して列車 B が進んだ距離を表すと、
700 + 400 + 120 + 20 × □ + 160 = 20 × □ + 1380 [m]
と表すことができることから、次の式が成り立つ。
35 × □ = 20 × □ + 1380
15 × □ = 1380
□ = 92 [秒] = 1 分 32 秒

(3)列車 C は東から西に向かって走ります。

列車 A の先頭が信号①を通過したときに、列車 C の先頭が信号②を通過した場合は、列車 A と列車 C は信号①から 1.8 km のところで出会います。

列車 A の先頭が信号①を通過した後しばらくしてから、列車 C の先頭が信号②を通過しました。このとき、列車 A の先頭が信号①を通過してから列車 C に出会うまでの時間と、列車 C の先頭が信号②を通過してから列車 A に出会うまでの時間の合計は 3 分 20 秒です。

列車 C の先頭が信号②を通過するのは、列車 A の先頭が信号①を通過してから何分何秒後ですか。

答え(3)
1 分 40 秒
解き方(3)
列車 C の速さを求める。

列車 A の先頭が信号①を通過したときに、列車 C の先頭が信号②を通過した場合、列車 A と列車 C が出会うまでにかかる時間は、
1.8 × 1000 ÷ 20 = 90 [秒]
よって、列車 C の速さは、
( 4.5 – 1.8 ) × 1000 ÷ 90 = 30 [m/秒]

列車 C の先頭が信号②を通過するのは、列車 A の先頭が信号①を通過してから P 秒後、列車 C の先頭が信号②を通過してから列車 A に出会うまで Q 秒かかるとすると、以下の式が成り立つ。
P + Q + Q = 3 分 20 秒
P + 2 × Q = 200 ・・・ ①
20 × ( P + Q ) + 30 × Q = 4500
2 × P + 5 × Q = 450 ・・・ ②
① × 5 – ② × 2 より、
P = 1000 – 900 = 100 [秒] = 1 分 40 秒

問8

ある列車は 1800 m のトンネルに入り始めてから出終わるまでに 2 分 30 秒、入り終わってから出始めるまでに 2 分かかります。この列車の速さは毎分何 m ですか。

答え
毎分 800 m
解き方

列車の長さを □ m とすると、列車の速さは以下のように表すことができる。
① ⇒ ( 1800 + □ ) ÷ 2.5
② ⇒ ( 1800 – □ ) ÷ 2
よって、次の式が成り立つ。
( 1800 + □ ) × \(\dfrac{2}{5}\) = ( 1800 – □ ) × \(\dfrac{1}{2}\)
4 × ( 1800 + □ ) = 5 × ( 1800 – □ )
9 × □ = 9000 – 7200 = 1800
□ = 200 [m]
よって、列車の速さは、
( 1800 – 200 ) ÷ 2 = 800 [m/分]

【別解】消去算を使う

列車の長さを A m とすると、列車の速さを B m/分とすると、以下の式が成り立つ。
1800 + A = 2.5 × B ・・・ ①
1800 – A = 2 × B ・・・ ②
① + ② より、
3600 = 4.5 × B
5 × B = 4000
B = 800 [m/分]