算数【応用】図形上の点の移動

問1

AB = 12 cm、AD = 6 cm の長方形 ABCD があります。2 点 E、F は頂点 B を同時に出発して、この長方形の辺上を頂点 C を通って頂点 D まで向かって動き、点 E が頂点 D に到達した時点で 2 点 E、F はどちらも止まります。点 E の速さは秒速 2 cm、点 F の速さは秒速 1 cm です。長方形 ABCD の辺と、AE と AF にはさまれた部分の三角形AEFの面積を考えます。

(1)1 秒後の面積を求めなさい。

答え(1)
6 cm2
解き方(1)
1 秒後、点 E は辺 BC 上の B から 2 × 1 = 2 [cm]、点 F は辺 BC 上の B から 1 × 1 = 1 [cm] の地点にある。

よって、求める面積は、
( 2 – 1 ) × 12 ÷ 2 = 6 [cm2]

(2)4 秒後の面積を求めなさい。

答え(2)
18 cm2
解き方(2)
4 秒後、点 E は頂点 B から 2 × 4 = 8 [cm]、すなわち辺 CD 上の D から ( 6 + 12 ) – 8 = 10 [cm] の地点、点 F は辺 BC 上の B から 1 × 4 = 4 [cm] の地点にある。

よって、求める面積は、
12 × 6 – ( 4 × 12 ÷ 2 ) – ( 6 × 10 ÷ 2 )
= 72 – 24 – 30 = 18 [cm2]

(3)面積が変わらないのは何秒後から何秒後までですか。

答え(3)
3 秒後から 6 秒後まで
解き方(3)
点 E、F が共に辺 BC 上にあるときは、時間が経つほど面積は大きくなる。
点 E、F が共に辺 CD 上にあるときもまた、時間が経つほど面積は大きくなる。
点 E は辺 CD 上、点 F は辺 BC 上にあるときを考える。
このとき、□ 秒後とする。(□ は 3 以上 6 以下)
求める面積は、長方形から白い部分の三角形の面積を除いた面積となる。
長方形の面積は変わらないので、白い部分の面積を求めると、
□ × 12 ÷ 2 + 6 × ( 18 – 2 × □ ) ÷ 2
= 6 × □ + 3 × ( 18 – 2 × □ )
= 6 × □ + 54 – 6 × □ = 54 [cm2]
よって、白い部分の面積も変わらない。
したがって、面積が変わらないのは 3 秒後から 6 秒後まで。

(4)面積が一番大きくなるのは何秒後ですか。

答え(4)
9 秒後
解き方(4)
点 E、F が共に辺 BC 上にあるときは、時間が経つほど面積は大きくなり、点 E が辺 CD 上で点 F が辺 BC 上にあるときは面積は一定、点 E、F が共に辺 CD 上にあるとき再び時間が経つほど面積は大きくなる。
したがって、点 E が頂点 D に到達したとき面積は一番大きくなる。よって、
18 ÷ 2 = 9 [秒後]

問2

図のような長方形が 3 つ重なった図形 ABCDEFGH があります。辺 BC の長さは 辺 AH の長さの半分です。この図形の周上を点 P が頂点 A を出発して頂点 H、G、F、E、D、C の順に頂点 B まで毎秒 2 秒の速さで移動します。下のグラフは三角形 ABP の面積の変化を表したものです。

(1)辺 EF の長さは何 cm ですか。

答え(1)
22 cm
解き方(1)

グラフに点 P の位置を記した。
グラフより、点 P が頂点 F から E まで移動するのにかかった時間は、23 – 12 = 11 [秒]
よって、その長さは、2 × 11 = 22 [cm]

(2)辺 CD と辺 DE の長さはそれぞれ何 cm ですか。

答え(2)
CD:14 cm DE:13 cm
解き方(2)

グラフより、各辺の長さを求めた。
辺 BC の長さは 辺 AH の長さの半分より、14 ÷ 2 = 7 [cm]
AH + FG = BC + DE より、DE = 20 – 7 = 13 [cm]
CD = 34 – 20 = 14 [cm]

(3)点 Q が頂点 B を出発して頂点 C、D、E、F、G、H の順に頂点 A まで毎秒 4 秒の速さで移動します。点 Q は点 P と同時に出発します。点 Pと点 Q が同時に辺 EF 上にある以外に、三角形 ABQ の面積と三角形 ABP の面積は 2 回等しくなります。それぞれ何秒後が答えなさい。

答え(3)
3.5 秒後、7 秒後
解き方(3)

点 P と Q がある頂点に到達した時間をそれぞれ記した。
面積が等しくなると考えられるのは、
① 点 P が AH 上にあって点 Q が CD 上にあるとき
② 点 P が GH 上にあって点 Q が DE 上にあるとき
① のとき

点 P が AH 上の A から 7 cm の地点にあるとき
7 ÷ 2 = 3.5 [秒後] ( 1.75 ~ 5.25 秒の間なので適 )
② のとき

点 Q が DE 上の D から 7 cm の地点にあるとき
28 ÷ 4 = 7 [秒後] ( 7 ~ 9 秒の間なので適 )

問3

図の四角形 ABCD で、点 E は辺 AB 上にあり、AE:EB = 3:2 です。点 P は、A を出発して辺 AD、DC 上を C まで一定の速さで移動します。点 Q は点 P と同時に C を出発し、点 P が C に着くのと同時に B に着くように一定の速さで移動します。下のグラフは、点 P が、点 A を出発してから点 C に到着とうちゃくするまでの時間と三角形 PAE の面積の関係を表しています。

(1)点 P が出発してから 9 秒後の三角形 PAE の面積を求めなさい。

答え(1)
110 cm2
解き方(1)

グラフより点 P は辺 DC 上にあり、この間点 P が移動するにつれ、△PAE の面積は一定量増え続けている。すなわち面積の増加量は時間に比例している。
点 P は辺 DC 上にあるとき、1 秒間に増える面積は、
( 120 – 80 ) ÷ ( 10 – 6 ) = 10 [cm2/秒]
7 秒後は点 P が D に到着してから 3 秒後より、
△ PAE = 80 + 10 × ( 9 – 6 ) = 110 [cm2]

(2)三角形 CEB の面積を求めなさい。

答え(2)
80 cm2
解き方(2)

△CAE と△CEB は高さが等しい三角形なので、面積比は AE:EB = 3:2 となる。
△CAE の面積は点 P が C に到達したときの面積なので、グラフより 120 cm2 とわかる。よって、
△CEB = △CAE × \(\dfrac{2}{3}\) = 120 × \(\dfrac{2}{3}\) = 80 [cm2]

(3)点 Q が出発してから 6 秒後の三角形 QEB の面積を求めなさい。

答え(3)
32 cm2
解き方(3)
グラフより、6 秒後点 P は A → D → C までの移動の \(\dfrac{6}{10}\) = \(\dfrac{3}{5}\) の位置にある。よって、点 Q は C → B までの移動の \(\dfrac{3}{5}\) の位置にあることがわかる。

△QEB と△CEB は高さの等しい三角形なので、面積比は QB:CB = 2:5 となる。よって、
△QEB = △CEB × \(\dfrac{2}{5}\) = 80 × \(\dfrac{2}{5}\) = 32 [cm2]

(4)三角形 PAE の面積と三角形 QEB の面積が等しくなるのは、出発してから何秒後ですか。

答え(4)
\(3\dfrac{3}{4}\) 秒後
解き方(4)
グラフより、点 P が D に到達したとき ( 6 秒後 ) の△PAE の面積は 80 cm2で、以降増加する。また、その時の△QEB の面積は 32 cm2で、以降減少する。よって、△PAE と△QEB の面積が等しくなるのは点 P が辺 AD 上にあるときである。
□ 秒後に 2 つの三角形の面積が等しくなるとする。

□ 秒後の△PAE の面積は、次のように表すことができる。
\(\dfrac{80}{6}\) × □ = \(\dfrac{40}{3}\) × □ [cm2]
□ 秒後、CB:QB = 10:10 – □ より、△QEB の面積は、次のように表すことができる。
80 × \(\dfrac{10\ -\ □}{10}\) = 8 × ( 10 – □ ) [cm2]
よって、次の式が成り立つ。
\(\dfrac{40}{3}\) × □ = 8 × ( 10 – □ )
5 × □ = 3 × ( 10 – □ )
8 × □ = 30
□ = \(\dfrac{15}{4}\) = \(3\dfrac{3}{4}\) [秒後]

問4

図のような台形 ABCD があります。点 P は対角線 AC 上を毎秒 2.5 cm の速さで A から C まで移動します。

(1)点 P が A から C まで進むのにかかる時間は何秒ですか。

答え(1)
12 秒
解き方(1)

△ACD は AD:CD:AC = 3:4:5 の直角三角形であるので、AC = 30 [cm] となる。
よって、30 ÷ 2.5 = 12 [秒]

(2)点 P が A を出発してから 2 秒後の三角形 PBC の面積を求めなさい。

答え(2)
270 cm2
解き方(2)

出発してから 2 秒後の点 P は、A から 2.5 × 2 = 5 [cm] の位置にある。よって、 PC = 30 – 5 = 25 [cm]
点 P から垂直に引いた直線と辺 BC との交点を Q とする。△CPQ と△ ACD は相似の関係にあるので、△CPQ は CQ:QP:PC = AD:CD:AC = 3:4:5 の直角三角形である。よって、QP = 20 [cm]より、求める面積は、
27 × 20 ÷ 2 = 270 [cm2]

問5

図のような直方体 ABCD-EFGH があります。点 P は点 A から太線上を秒速 1 cm の速さで進み始めます。その後、点 F、G を通って点 D まで進みますが、頂点を通るたびに速さが 2 倍になります。グラフは点 P が点 A を出発してから点 D に着くまでの時間と、四角すい P-AEHD の体積の関係を表したものです。

(1)EF の長さは何 cm ですか。

答え(1)
4 cm
解き方(1)
△AEF は AE:EF:FA = 3:4:5 の直角三角形より、EF = 4 [cm]

(2)グラフのアにあてはまる数はいくつですか。

答え(2)
7.5
解き方(2)

AF を進む点 P の速さは 1 cm/秒より、A から F に着くまでにかかる時間は 5 ÷ 1 = 5 [秒]
FG を進む点 P の速さは 2 cm/秒より、F から G に着くまでにかかる時間は 5 ÷ 2 = 2.5 [秒]
よって、ア = 5 + 2.5 = 7.5

(3)グラフのイにあてはまる数はいくつですか。

答え(3)
8.75
解き方(3)
GD を進む点 P の速さは 4 cm/秒より、G から D に着くまでにかかる時間は 5 ÷ 4 = 1.25 [秒]
よって、イ = 7.5 + 1.25 = 8.75

(4)四角すい P-AEHD の体積が 2 回目に 8 cm3 になるのは、点 P が点 A を出発してから何秒後ですか。

答え(4)
8.25 秒後
解き方(4)
グラフより、2 回目に体積が 8 cm3 になるのは、点 P が GD 上にあるときである。


このとき、点 P から DH に垂直に下した直線と DH の交点を Q とすると、四角すい P-AEHD は、□AEHD を底面とした高さ PQ の四角すいと考えられる。よって、次の式が成り立つ。
3 × 5 × PQ × \(\dfrac{1}{3}\) = 8
PQ = \(\dfrac{8}{5}\) = 1.6 [cm]
△DQP と△DHG は相似の関係にあるので、PQ:PD = GH:GD = 4:5 となる。
1.6:PD = 4:5
PD = 2 [cm]
したがって、このとき点 P は GD 上の G から 3 cm の位置にある。点 P が G から 3 cm 進むのにかかる時間は、3 ÷ 4 = 0.75 [秒]
よって、点 A を出発してから 7.5 + 0.75 = 8.25 [秒後]

問6

図のように正方形 ABCD があり、正方形 ABCD の 2 つの対角線 AC と BD の交わる点を O とします。さらに、点 O を中心にして正方形 ABCD を \(\dfrac{1}{2}\) に縮小した図形が正方形 EFGH です。点 P は頂点 A から出発して、正方形 ABCD の辺上を反時計回り( A→B→C→D→A→・・・)に一定の速さで周り続けます。点 Q は頂点 E から出発して、正方形 EFGH の辺上を反時計回り( E→F→G→H→E→・・・)に一定の速さで周り続けます。2 点 P、Q はそれぞれの正方形の辺上を同時に動き始め、点 P、Q の移動する速さの比はそれぞれ 6:5 です。また、点 P が正方形 ABCD を 1 周するのにかかった時間は 60 秒でした。

(1)2 点 P、Q が初めて同時に対角線 AC 上にならぶのは、点 P と Q が動き出してから何秒後ですか。

答え(1)
90 秒後
解き方(1)
点 P、Q の移動する速さをそれぞれ \(\boxed{6}\)、\(\boxed{5}\) とする。
正方形 ABCD の 1 周の長さは \(\boxed{6}\) × 60 = \(\boxed{360}\) と表すことができる。
一方、正方形 EFGH の 1 周の長さは \(\boxed{360}\) × \(\dfrac{1}{2}\) = \(\boxed{180}\) と表すことができ、点 Q が 1 周するのにかかる時間は \(\boxed{180}\) ÷ \(\boxed{5}\) = 36 [秒] である。
よって、点 P、Q が対角線 AC 上に来るのはそれぞれ 30 秒ごと、18 秒ごとなので、初めて同時に対角線 AC 上にならぶのは、30 と 18 の最小公倍数である 90 秒後となる。

(2)次の □ に当てはまる数を求めなさい。

点 Q が動き始めてから正方形 EFGH を 1 周するまでの間に、三角形 QBC の面積が三角形 PEH の面積の 2 倍となるのは、点 Q が出発してから \(\boxed{ア}\) 秒後から \(\boxed{イ}\) 秒後です。

ただし、\(\boxed{ア}\) と \(\boxed{イ}\) に入る数字は 10 以上の数とします。

答え(2)
ア:27 イ:30
解き方(2)
BC:EH = 2:1 より、BC、EH をそれぞれ△QBC と△PEH の底辺と考えたとき、10 秒以降で高さが等しくなる点 P、Q の位置を考える。

点 P が 1 辺を進むのにかかる時間は 15 秒、点 Q が 1 辺を進むのにかかる時間は 9 秒である。よって、高さが等しくなるのは、点 Q が EH 上にあり、点 P が BC 上にあるときである。
したがって、27 秒後から 30 秒後。

問7

図の二等辺三角形 ABC は合同な直角三角形を合わせて作ったものです。2 点 P 、Q はそれぞれ一定の速さで移動する点で、D を同時に出発します。P は DB 上を B まで移動して止まり、Q は DC 上を 2 往復し、P が止まるのと同時に止まります。グラフは出発してからの時間と DP、DQ の長さの関係を表したものです。

(1)2 点 P、Q の速さはそれぞれ秒速何 cm ですか。

答え(1)
P:秒速 2 cm Q:秒速 8 cm
解き方(1)

P:32 ÷ 16 = 2 [cm/秒]
Q:32 ÷ 4 = 8 [cm/秒]

(2)P が B に着くまでの間で、三角形 APQ が AP と AQ の長さが等しい二等辺三角形になることは何回ありますか。また、1 回目は 2 点 P、Q が出発してから何秒後ですか。

答え(2)
3 回、6.4 秒後
解き方(2)
AP = AQ のとき、DP = DQ となる。よって、DP と DQ の長さを表したグラフが重なる回数なので、3 回。


1 回目の交点は、Q が 1 往復目に C から折り返して D に向かって進んでいるときである。このときを □ 秒後とすると、次の式が成り立つ。
2 × □ + 8 × ( □ – 4 ) = 32
10 × □ = 64
□ = 6.4 [秒後]

(3)Q が初めて C に着くまでの間で、三角形 APD を拡大した図形と三角形 QAD が合同になるのは、2 点 P、Q が出発してから何秒後ですか。また、そのとき、角 PAQ(印をつけた角)の大きさは何度ですか。

答え(3)
3 秒後、90 度
解き方(3)

△APD と△QAD が相似になるときを考える。
Q が初めて C に着くまでの間、角 PAD (×) と角 QAD (○) は同じになることはないことから、角 PAD と角 AQD が等しくなるとき、2 つの三角形は相似の関係になる。
このときを □ 秒後とすると、AD:DP = QD:DA が成り立つことから、
12:2 × □ = 8 × □:12
16 × □ × □ = 12 × 12
□ × □ = \(\dfrac{12\ ×\ 12}{4\ ×\ 4}\) = 3 × 3
□ = 3 [秒後]
角 PAQ = × + ○ = 90 [°]