算数【基本】円とおうぎ形(角度・長さ・面積)

円とおうぎ形
【円】
●円の定義:円とは、ある点(円の中心)からの距離きょり(半径)が等しい点の集まりである。

●円周率:円周が、直径の何倍になっているのかを表した数である。3.1415926635…とどこまでも続く小数であることがわかっており、特に指定がなければ 3.14 を用いる。
●弧:円周の一部
●中心角:ある長さの弧と中心が作る角。中心角の大きさは弧の長さに比例する。
●円周角:ある長さの弧と、その弧を除いた円周上の1点で作られる角。1つの弧に対する円周角の大きさは等しく、その弧に対する中心角の半分となる。
<円周の求め方>
円周 = 直径 × 円周率
<円の面積の求め方>
円の面積 = 半径 × 半径 × 円周率
<弧の長さの求め方>
弧 = 円周 × \(\dfrac{中心角}{360}\) = 直径 × 円周率 × \(\dfrac{中心角}{360}\)

【おうぎ形】
●おうぎ形の定義:円を2つの半径で切り取った形

<おうぎ形の面積の求め方>
おうぎ形の面積 = 円の面積 × \(\dfrac{中心角}{360}\) = 半径 × 半径 × 円周率 × \(\dfrac{中心角}{360}\)

円周率は3.14とします。

問1

(1)図の3つの円において、AB = 10cm、BC = 20cmのとき、影の部分の周りの長さは何cmですか。

答え(1)
94.2cm
解き方(1)

求めるのは3つの円の半円部分の弧の長さの和。
10 × 3.14 ÷ 2 + 20 × 3.14 ÷ 2 + 30 × 3.14 ÷ 2
= ( 10 + 20 + 30 ) × 3.14 ÷ 2 = 94.2(cm)

(2)図の影の部分の面積は何cm2ですか。図に示した点は、各半円の中心とする。

答え(2)
81.64cm2
解き方(2)

8 × 8 × 3.14 ÷ 2 – 4 × 4 × 3.14 ÷ 2 + 2 × 2 × 3.14 ÷ 2
= ( 64 – 16 + 4 ) × 3.14 ÷ 2 = 81.64(cm2)

(3)半径が8cmの円の面積と、半径が10cmの円の半分の面積の差は何cm2ですか。

答え(3)
43.96cm2
解き方(3)
半径8cmの円の面積は 8 × 8 × 3.14 = 64 × 3.14(cm2)
半径10cmの円の半分の面積は 10 × 10 × 3.14 ÷ 2 = 50 × 3.14(cm2)
よってその差は、
64 × 3.14 – 50 × 3.14
= ( 64 – 50 ) × 3.14 = 43.96(cm2)

(4)図の影の部分の周りの長さは何cmですか。

答え(4)
33.12cm
解き方(4)

8 + ( 8 × 2 ) × 3.14 × \(\dfrac{90}{360}\) + 8 × 3.14 × \(\dfrac{180}{360}\)
= 8 + 16 × 3.14 × \(\dfrac{1}{4}\) + 8 × 3.14 × \(\dfrac{1}{2}\)
= 8 + 4 × 3.14 × 4 × 3.14
= 8 + 8 × 3.14 = 33.12(cm)

(5)図は半径2cmと3cmの円です。影の部分の面積を求めなさい。

答え(5)
15.7cm2
解き方(5)
3 × 3 × 3.14 – 2 × 2 × 3.14
= 9 × 3.14 – 4 × 3.14
= ( 9 – 4 ) × 3.14
= 5 × 3.14 = 15.7(cm2)

(6)図のように、点Oを中心とする円周上に、円周の長さを3等分する3点 A、B、C があります。

① 円の半径が3cmのとき、図の影の部分の面積は何cm2ですか。

答え(6)- ①
9.42cm2
解き方(6)- ①
点A、B、Cは円周を3等分するので、影の部分の中心角は120°である。
よって面積は、
3 × 3 × 3.14 × \(\dfrac{120}{360}\)
= 3 × 3.14 = 9.42(cm2)

② 角アの大きさは何度ですか。

答え(6)- ②
30度
解き方(6)- ②

△AOBは角AOB = 120°の2等辺三角形である。
よって角アの大きさは、
( 180 – 120 ) ÷ 2 = 30(°)

(7)図のように、点O、O’を中心とする半径3cmの円が重なっています。このとき、影の部分の面積は何cm2ですか。

答え(7)
23.13cm2
解き方(7)

求める面積は \(\boxed{  }\) でかこまれた面積から、  のおうぎ形部分の面積を引けばよい。
3 × 3 + 3 × 3 × 3.14 × \(\dfrac{270}{360}\) – 3 × 3 × 3.14 × \(\dfrac{90}{360}\)
= 9 + 9 × 3.14 × ( \(\dfrac{3}{4}\) – \(\dfrac{1}{4}\) )
= 9 + 9 × 3.14 × \(\dfrac{1}{2}\) = 23.13(cm2)

(8)図は点Oを中心とする半径6cmの円で、A、B、C、D、E、F、G、H は円周を8等分する点です。

① 角アの大きさは何度ですか。

答え(8)- ①
22.5度
解き方(8)- ①

△BOEは二等辺三角形である。また、角BOEは 360 × \(\dfrac{3}{8}\) = 135(°) である。
よって、角アは、
( 180 – 135 ) ÷ 2 = 22.5(°)

② 直線AEと直線FHと円周で囲まれる影の部分の面積は何cm2ですか。

答え(8)- ②
46.26cm2
解き方(8)- ②

求める面積は、2つの中心角45°のおうぎ形と直角二等辺三角形の面積の和である。
6 × 6 × 3.14 × \(\dfrac{45}{360}\) × 2 + 6 × 6 × \(\dfrac{1}{2}\)
= 36 × 3.14 × \(\dfrac{1}{4}\) + 36 × \(\dfrac{1}{2}\)
= 9 × 3.14 + 18 = 46.26(cm2)

(9)図の角アの大きさは何度ですか。

答え(9)
75度
解き方(9)
【解1】円周角を利用する

角イの大きさは 180 – 165 = 15(°)
角ウは中心角180°の円周角なので90°。よって、
角ア = 180 – ( 90 + 15 ) = 75(°)

【解2】二等辺三角形を利用する

角イの大きさは 180 – 165 = 15(°)
△AOBは二等辺三角形より、
角ウ = 180 – 15 × 2 = 150(°)
△BOCは二等辺三角形より、
角ア = 150 ÷ 2 = 75(°)

(10)図のように円周を八等分した点をとったとき、影の部分の面積は何cm2ですか。

答え(10)
41.12cm2
解き方(10)

となり合った点と中心Oでできる中心角の大きさは 360 ÷ 8 = 45(°)
図より、求める面積は、中心角45°のおうぎ形4個と、2つの直角二等辺三角形の和である。
4 × 4 × 3.14 × \(\dfrac{45\ ×\ 4}{360}\) + 4 × 4 ÷ 2 × 2
= 8 × 3.14 + 16
= 25.12 + 16 = 41.12(cm2)

(11)図は、どちらも半径6cmのおうぎ形です。

① 図1のおうぎ形の周りの長さは何cmですか。

答え(11)- ①
18.28cm
解き方(11)- ①
6 × 2 × 3.14 × \(\dfrac{60}{360}\) + 6 × 2
= 6.28 + 12 = 18.28(cm)

② 図2のおうぎ形の周りの長さは27.7cmでした。角アの大きさは何度ですか。

答え(11)- ②
150度
解き方(11)- ②
図1の弧の長さは 6.28cm
図2の弧の長さは 27.2 – 12 = 15.7cm
角度は弧の長さに比例するので、角アは、
60 × \(\dfrac{15.7}{6.28}\) = 60 × \(\dfrac{5}{2}\) = 150(°)

問2

(1)図は半径10cmの円と、その中心を通る5本の直線です。影の部分の面積を求めなさい。

答え(1)
157cm2
解き方(1)

向かい合ったおうぎ形の面積は等しいので、求める面積は半円の面積と等しい。
10 × 10 × 3.14 ÷ 2 = 157(cm2)

(2)おうぎ形をABを折り目として折ったとき、Oが円周上の点Cに重なりました。角アの大きさを求めなさい。

答え(2)
50度
解き方(2)

△AOBと△ACBはABに対して対象の関係にある。したがって、角イ()の大きさは等しく、角ACBは100°である。
AOとACとOCの長さは等しく、△OACは正三角形になっている。
よって、角イは 60 ÷ 2 = 30(°)、角アは、180 – ( 100 + 30 ) = 50(°)である。

(3)図の影の部分の面積の合計は何cm2ですか。

答え(3)
2.28cm2
解き方(3)

  部分の面積は等しいので、求める面積は \(\boxed{  }\) 部分の面積と等しい。
4 × 4 × 3.14 × \(\dfrac{45}{360}\) – 4 × 2 ÷ 2
= 16 × 3.14 × \(\dfrac{1}{8}\) – 4
= 2 × 3.14 – 4 = 2.28(cm2)

(4)図のような図形があります。

① 影の部分のまわりの長さを求めなさい。

答え(4)- ①
70.8cm
解き方(4)- ①

求める長さは、青線部分。
12 × 2 × 3.14 ÷ 2 + 4 × 2 × 3.14 + 8
= 12 × 3.14 + 8 × 3.14 + 8
= ( 12 + 8 ) × 3.14 + 8
= 62.8 + 8 = 70.8(cm)

② 影の部分の面積を求めなさい。

答え(4)- ②
226.08cm2
解き方(4)- ②

  部分の面積は等しいので、求める面積は、半径12cmの半円の面積に等しい。
12 × 12 × 3.14 ÷ 2 = 226.08(cm2)

(5)図は、半径6cm、中心角60°のおうぎ形です。影の部分の面積は何cm2ですか。

答え(5)
9.42cm2
解き方(5)

△①△②は、面積の等しい直角三角形である。よって、  部分の面積は等しく、求める面積は、中心角30°のおうぎ形の面積に等しい。
6 × 6 × 3.14 × \(\dfrac{30}{360}\)
= 36 × 3.14 × \(\dfrac{1}{12}\)
= 3 × 3.14 = 9.42(cm2)